研究内容
海洋バイオマスの利活用を目指した研究
近年,海洋バイオマスの有効利用が注目されています。我々は,多くの産業分野で利用されている海藻多糖類(アルギン酸やフコイダン)に着目し,その分解酵素の探索を行っています。これまでに海藻多糖類資化性菌のスクリーニングを行い,その菌から新規のアルギン酸分解酵素を得ることに成功しています。
好熱菌ジオバチラス属細菌の高度利用
ジオバチラス属細菌は地球上に広く分布する好熱菌群で,中温領域から高温領域(約70℃)にかけて良好に増殖します。菌株による個性が強く,アイデア次第で様々な応用利用ができるはずです。現在は,モデル好熱菌Geobacillus kaustophilus HTA426や海藻資化性好熱菌Geobacillus thermodenitrificans OS27などの遺伝学的ツールの開発,ならびにそれを利用した当該好熱菌群の高度利用に取り組んでいます。
高変異性好熱菌を利用した酵素進化工学
酵素は優れた触媒ですが,その不安定性から実用化が難しいものがあります。このような不安定性は酵素を熱に強くする(耐熱化する)だけで大きく改善されることから,我々は熱不安定酵素を耐熱性酵素に変化させる手法を研究しています。特に高変異性好熱菌(Geobacillus kaustophilus MK480)内における酵素遺伝子の耐熱化指向性進化に着目しています。興味深い成果物も多く見出されており,それらの詳細な解析も行っています。
アミロイド線維の分子機構および特性解析
アルツハイマー病やパーキンソン病,II型糖尿病等はタンパク質の異常凝集が原因の一つとして考えられています。これらは総称してアミロイド病と呼ばれており,タンパク質の異常凝集を抑制することが発症予防につながります。アミロイド病の発症予防に「医食同源」を提案し, 日本に豊富に存在し馴染みのある海藻に着目して, 海藻成分からアミロイド線維形成を阻害する物質の探索とその機能について調べています。
魚動脈球からエラスチン繊維の精製
資源の再利用は循環型社会における重要な位置付けになっており,魚の廃棄部位である動脈球から医療・美容分野での利用が期待される弾性繊維エラスチンの精製とその特性評価に取り組んでいます。エラスチンの減少は皺や動脈硬化の原因とされています。魚からのエラスチンの精製は,哺乳類よりも安全性が高く,また廃棄部位の利用は健康増進と資源の再利用の両方を満たしていることから, 今後の研究の展開が期待されています。
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